2015年12月30日22時00分

1月のコラ!!ム 木村政雄

 あろうことか、年の瀬にテレビが故障した。朝いつものように7時のNHKニュースを見ようとテレビをつけたのだが、映像は映らずただ音声が聞こえるのみ。前夜、「アウトレイジ」なる駄作を見てしまったためにテレビが気を悪くしたのかとも思ったのだが、どうやらそうでもないらしい。このままでは大晦日のボクシングや正月の箱根駅伝も見られない。寝室にもテレビはあるけれど、やはりリビングで大画面を見ないと迫力に欠ける。焦ってJ:COMに電話して係員に来てもらったが、回線の不具合ではなくテレビ本体の故障だとか。そういえばメーカーさんからいただいてもう9年ほどになる。当時はまだ42インチの大画面がまだ珍しく、スポーツ番組などを見るたびその臨場感に魅せられた記憶がある。すぐさま赤坂見附にあるビックカメラまで飛んで行き4Kの55インチテレビを購入、本日設置を終えて事なきを得た次第。いきなりクリアになった天童よしみのアップを見た時はさすがにきつかったが、それもいつか慣れるだろう。

 だが、言いたかったのはテレビのことではない。この顛末の中で調査に来たJ:COMの係りの人に、「故障の前に何か兆しは無かったですか?」という一言である。「そういえば画像が少し荒くなっていたかもしれない」「スイッチを入れてから画面が出るまでのタイミングが心なしか遅くなっていたかもしれない」指摘されて初めて気がついたのだが、どうもそんな気がする。いつのまにか物事に慣れてしまって、感受性や兆しを読む力が鈍っていたのかもしれない。むかし、第一線で体を張っていた頃はもっと感受性に富んでいたように思う。身体についた脂肪を気にするばかりではなく、むしろ脳や心についた脂肪こそを気にしなくてはいけなかったのではないだろうかと気付かされた。

 来るべき新年には、「兆しを読む力の復活」をテーマに掲げよう!溢れるばかりの情報とやらに流されず、この現象の中にある兆しは何なのかを真摯に見つめる事から始めてみよう。KIZASHIは「兆し」でもあるし、「気指し」でもあるのだから。

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